むち打ち症は、スポーツ時にもしばしば起こりますが、最も多い原因は、自動車の事故です。停車中に後ろから追突されると、車体が前に押しだされます。その際に身体も座席と一緒に前方へ移動します。しかし、頭部はシートに触れていないため、その場に残ろうとしてしまいます。その結果、身体に対して頭の移動がワンテンポ遅れた動きをします。すると鞭がしなるように、追突時に首が後ろに強く曲がった状態になり過伸展し、次に反動で頭部が前に倒れ、首が前方に強く曲がり過屈曲することで、頸部の靱帯や筋肉などを痛めてしまうことをむち打ち損傷といいます。 また、車が正面衝突したときにも、むち打ちが起こります。 「むち打ちなんて大げさだよ」とおっしゃる方もいますが、時速３０キロの車と衝突した時の衝撃は、ビルの3階から飛び降りたときの衝撃に匹敵すると言われています。 むち打ち症は、とても大きな衝撃が身体に加わって起こります。適切な処置をしないと痛みやシビレなどが後遺症として残ってしまう可能性があります。